質感
見ていて、また指で辿ることで、そこに絵の具の跡を追うことができる
触ることの感触は、そこに写し出される空間をなぞっているようで
頭の中でイメージが浮かぶ
感触が、その質感を伝えてくれる
その質感を辿ることから、世界が伝わってくる
年初に制作した作品をより進化させるために、表層の絵の具を剥がしている
私が探しているのは「写実の消失」と言う、
描く者が現実の印象を脳内で噛み砕き、それを改めてキャンバスに映し出す時
描く者の、印象に残った事実とは何なのか
その何かを強調するために、余分を削ぎ落として
残ったものを描き出す事の検証である
半年ほど置いていた油彩に作品の主題に映る部位を
剥がしている
工具は、ホームセンターでケレンする工具を数点選び
少しづつ試し、今回使用したのはケレン用のポリエチレン研磨材
洗い用のメッシュスポンジの荒い版である
それと、ノミの刃先
この後改めて、油絵具をかける予定
質感はPC上で制作したものは、人の五感では感じ取ることはできない
描く行為、またそれを感じる、もしくは見る行為はアナログであってこそ実感できる